
■眠りで日本を元気にする
今やわが国の3人に1人が睡眠に関わる問題を抱えていると推測されています。睡眠不足は仕事や勉強の能率を低下させるだけでなく、労働災害や交通事故のリスクを高めます。さらに、生活習慣病やメタボリックシンドロームとの因果関係も指摘されています。
昔から「寝る子は育つ」と言われたように、睡眠中に脳が育ち、成長ホルモンが分泌され、子どもの筋肉や骨が成長し、身体の傷んだ組織の修復が行われます。また、睡眠は疲れた脳を休ませるだけでなく、記憶を整理し、固定・消去を行っています。学習した後に十分な睡眠をとることが運動技能や語学の習得を促します。「寝る子は育つ」だけでなく、「寝る子は伸びる」ようになります。
このように大切な睡眠について、そのメカニズムを研究し、広く正しい知識を普及すること、そして「眠りで日本を元気にする」ために、滋賀医科大学睡眠学講座はさまざまな取り組みを行っています。
1.医学教育
平成21年度から、滋賀医科大学生を対象に2単位の「睡眠学概論」の授業を行っています。医学部では1年生後期の選択科目、看護学部では2年生前期の選択科目としています。
平成22年度以降は「睡眠学各論」の授業を設けて、4単位の睡眠学教育を構築し、睡眠障害を担うエキスパートの育成に取り組みます。
2.人材育成
睡眠知識を身につけて仕事に活かしたい人、睡眠に関する問題を抱えている人などを対象に、睡眠を改善できる知識の習得を目的として睡眠指導士の養成に取り組んでいます。
初心者向けに、睡眠の基礎知識を中心とした1日コースの「睡眠学入門講座」を、さらに深く学ぶ4日間の集中講義形式の「睡眠学教育講座」を開催しています。現在、入門講座修了者は341名、中級講座修了者は106名、上級講座修了者は80名になります。
3.学外教育
医学部や大学院、保健学科、放送大学などでの医学教育のほかに、小中高等学校や教育センターなどに出向いて、市民や児童・学生を対象とした教育講演活動を行っています。
また、市民公開講座を開催するほか、学校保健委員会、医師会、歯科医師会主催による睡眠に関する講座や、病院を訪問しての睡眠呼吸ワークショップなど、幅広い活動を行っています。
寄付講座である睡眠学講座は皆様の暖かいご支援により、このような活動に取り組むことができております。今後、さらに睡眠学を発展させるため、引き続き力強いご支援をお願い申し上げます。
滋賀医科大学睡眠学講座 教授
 |